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月は冷たく輝き、光を受け咲く花は悲しげな光を放つ…。黒い何かがドクンッと魂に直接響いてくる。近いうちに自分はこの呪いに喰われる、自然とそう悟った。
(お前はこの村の疫病神だ!)
(悪魔よ!悪魔が舞い降りたんだわ!)
(お前の白い翼が、俺達の村に不幸をもたらすんだ!)
(僕達を騙していたの…?)
デテイケ デテイケ デテイケ デテイケ
こんな時なのに、こんな言葉が頭に響く。…いや、こんな時だからかもしれない。
冷たい月を見上げていると頬に温かいものがつたっていった。だが、すぐに風が吹いて、温かさを奪っていった。
心が深く沈んでいく…。
ドウシテナイテルノ?
ドウシテカナシイノ?
悲しい訳じゃない。涙は悲しさだけを表すものじゃない。
ナラ ナンダトイウノ?
絶望と未練?いや…、もっと違う何か…。
自分を失い、人を傷付けてしまうことへの苦悩か…。
ヒドイコトヲ
ヤツラハイッタ。
ソレナノニ
キズツケタクナイノ?
傷付けてしまったら、もう元に戻れない気がするから…。
モウ モドレナイハズ
ソレデモ モドレルト
シンジテルノ?
信じているのとは違う。私の願い。そして望み。
…静かに目を閉じた。
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