“プロローグ”

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「そらー!」 私の名前を呼んだのは、親友のさや。 さやは、高校になって初めてできた友達だ。 入学式の日。 校内で迷っていた私に、優しく声をかけてくれたのがさやだった。 華奢で小さい身体に、くりくりした瞳。顔も整っていて、男だったらすぐホレてしまうような可愛い子…… 私は羨ましかった。 だって、私は、並べばいつも1番後ろだったから…… 暇があれば男子と遊んだ。母は、女子だからと言ってピンク服やスカートを着せたがったが、私は目立つ上に動きにくいから嫌だった。 今考えると、ほんと、女らしさの欠片もない。 (今もそれほど変わらないが……) だから、私みたいなの、ミンナのように相手にしないだろうと思った。 でも、さやだけは違った…… 何故だか解らないが、さやといれば、何か変わると直感的に思った。 そして、それ以来、私たちはいつも一緒にいる。 .
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