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「じゃあ、大平さん達は私が安田さんと出かけた夜にストーカー事件を聞いたの?」
夕食を食卓に並べる大平さんと茜さんに問う。
海斗は、あの後すぐに帰って来た遊真達に「説明をしてくる」と言って子供達の部屋に行ってしまっていた。
遊真はすぐ分かってくれるだろうが、斗真は完全に海斗にキレていたのですぐには終わらないだろう。
私も一緒に説明すると言ったのに、海斗に全力で拒否されてしまった。
なんだか一人でいても落ち着かないので、仕事をしている大平さんの邪魔をするような形で話しを聞いているのだ。
「はい。旦那様からお聞きしましたが、奥様には自分から話すから、と秘密にするよう言われて…すみませんでした。」
大平さんが目を伏せ頭を下げてくる。
私は慌てて両手を振った。
「大平さん達は海斗に言われて黙っていただけなんだから!全然悪くない!!」
力をこめて言い、大平さんに笑顔を向ける。
「ありがとうございます…奥様…。」
茜さんと二人でまた頭を下げられてしまった。
これ以上邪魔をしないよう足を引きずってソファーに戻ると、ふぅと小さくため息をつく。
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