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体がだるい。
さすがにやり過ぎてしまった気がする。
そして足の痛みも増していた。
いや、これは海斗のせいではなく、ベッドから降りる際に挫いた足で立ち上がった為に更に捻ってしまったからだ。
「うーわー…パンパンに腫れてない?」
ブツブツ呟いて包帯の上からそっと擦っていると、リビングのドアが開く。
「あれ!?お話し、もう終わったの?」
ゾロゾロと入ってくる海斗と子供達に思わず目を丸くしてしまった。
まだ一時間くらいしか経ってないのに…。
「ああ。みんな納得した。」
なんでもない事のように言う海斗に感心するしかない。
チラッと見ると斗真も怒ってはいないようだ。
一体どんな説明をしたらこんなに早く丸くおさまるのか…。
私は不思議で仕方なくて、そっと里海に近づくと耳元に口を寄せる。
「斗真お兄ちゃん、パパに怒ったりしなかったの?」
ひそひそと聞いたら、里海がニコッと笑い大きな声で答えた。
「ううん!!怒ってたけど、パパが、ママには秘密だよって、秘密の話ししたら斗真お兄ちゃん怒らなくなっ…ふがっ!!」
突然手がたくさん伸びてきて、里海の言葉を遮るように口を塞ぐ。
私は、重なった3本の手と3人の顔を見比べてパチパチと瞬きをした。
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