優しい秘密

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「遊真達出かけたのかな…?」 ぶつぶつ言いつつコートを脱ぐ。 すると、突然リビングのドアが開いた。 「ママ!!」 「里海!ただい…」 「ママ大変なの!!早く来て!」 暢気にただいまの抱擁をしようと広げた手を即座に下ろす。 里海の表情が本気で焦っていたから。 「どうしたの?何かあったの!?」 慌てて駆け寄ると、里海が私の手を握り走り出した。 「大変なんだよ!早く!!」 「だ、だから何が…」 つられて走りながら、嫌な考えが頭に浮かぶ。 遊真か斗真に何かあったのだろうか。 メイドさん達に何かあったのだろうか。 やがて里海が足を止めたのは、パーティールームのドアの前だった。 「ここ!早く開けて!!」 里海に急かされ、恐る恐るドアを開く。 真昼なのに、カーテンを閉め切っているのか中は暗かった。 里海はぐいぐい私の背中を押してくる。 仕方なく中に足を進めると、突然電気が一斉に点いた。 と同時に、パンパンッと何かが破裂する音がたくさん響く。 私の目の前で舞うカラフルな色。 その後ろに見知った顔をたくさん見つけて、目を丸くしたまま固まってしまった。
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