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安堵のため息が口から零れる。
やっと全身の力を抜く事が出来た。
ああ、もう、良いんだ。
安心して、また今まで通り海斗を信じていって良いんだ。
そう思うと嬉しくて、海斗の胸に頬をすり寄せる。
しかし、そんな安らかな気分も…海斗の次のひとことでぶち壊されるのだった。
「遊里…」
「ん?」
「俺の首を絞めたのは、お前か?」
「……」
答えられない代わりに体がまたカチンコチンに固まる。
なっ!
い、今その話しする!?
っていうかなんで私だって分かったの!?
「…穴井と昨日がどうのこうの言っていただろう。まさかとは思ったが、やはり遊里か。」
「っ…」
もう、あわあわと口を動かす事しか出来ない。
それでも首を絞めた理由だけは誤解されたくなくて、必死に言葉を紡いだ。
「あ、あのっだってね、海斗の様子が変だから話し合いたくて会社行って…そしたら海斗が穴井さんとイチャイチャしてて、思わず後を尾けて…そしたらシーツがぐちゃぐちゃで、悲しくてなんか憎くてっむ、無意識でっ」
「あー分かった分かった。落ち着け。」
海斗が笑いをこらえたような声を出す。
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