もう一つの秘密

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「海斗…」 思わず見とれてしまい、体の奥が熱く火照り出す。 しかしすぐに首を振って海斗を真っ直ぐに見つめ返した。 「ダメっ!海斗は死んじゃダメなの!愛してるから…だから死んじゃダメなの!」 なんてワガママな言い分だろう。 首を絞めた私が言える事じゃないはずなのに、きっぱりと言い切ってしまった。 海斗は私がそう言う事を予想していたのか、優しい笑みを向ける。 大きな手のひらが私の頬を包み、ゆっくりとその顔が近づいてきた。 ドクン、ドクンと胸が高鳴る。 「でも、俺はお前を殺すぞ。…ベッドの中でな。」 「なっ!?」 私が驚いた途端、触れるだけのキスが落ちた。 まるでファーストキスかという程に、一瞬にして私の頬が染まる。 「…俺もお前には幾度となく殺されている。」 「え…?」 うっとりとしたまま聞き返すと、今度は息も出来ない程の深いキスをされた。 「んっ…んぅっ…」 「お前の中でイく度に、天国に行ったような気分になる。…お前の本当の正体は天使なんだろう?」 「…じゃあ海斗は神様…?」 私が答えた瞬間、そのキレイな顔が笑みに変わった。
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