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2人と別れた後未羽と由希は家に向かって歩いていた。
半歩引いて由希を見る。
すらりとした背丈、さらさらの長めの黒髪。
どうしても彩月との光景を思い出してしまう。
(…あたしは由希と釣り合ってる?)
そんな疑問さえ生まれるほど未羽の心は暗くなっていた。
「…未羽?」
突然近くに顔が近づいてきて思わず飛び退いた。
「うわっ…ビックリするじゃない!」
「なにも喋らないし悩んでるように見えたから。」
「なんでもないよ。夕飯考えてただけ!なにか食べたいものある??」
わざと明るく言って話題をそらした。
「いや…なんでもいいけど…」
未羽の変化につられてつい答えてしまった。
「わかった。考えとくね。」
ニコッと笑って携帯を開いたのだった。
(…どうして嘘ついたんだろう…)
素直に言えばよかったと軽く未羽は後悔した。
(…でも、言ったらきっと)
引くんだろうなとも思った。
(このモヤモヤした気持ちはなに?)
それが嫉妬からくるものだとは思いたくなかった。
(…普通でいなきゃ…)
そう奮い立たせなんとか気持ちを落ち着かせたのだった。
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