新たな気持ち

5/7
前へ
/196ページ
次へ
外に取り残された2人の間には異様な空気が流れていた。 「…まさか、まだ仲間がいたなんて。」 最初に口を開いたのは彩月だった。 「…お前…」 「吸血鬼だよ?紺野くん?」 (まだいたなんて…) 由希は驚きを隠せなかった。 「若宮って言ったからまさかとは思ったけど…」 「そのまさか。…でも安心して?私は未羽ちゃん達に手出ししたりしないから。…友達を傷つけたくないの。」 静かに笑って言った。 (こいつ…言ってないのか…) 今の彩月の反応で思った。 「言わないんだ。未羽たちには。」 「言ったら離れるじゃない。恋人と友達って別だし。それに…吸血鬼と人間は結ばれない。」 悲しそうな瞳を向け彩月は言ったのだった。 まるでなにかを堪えるかのように。 その様子を窓から未羽が見ていた。
/196ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加