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外に取り残された2人の間には異様な空気が流れていた。
「…まさか、まだ仲間がいたなんて。」
最初に口を開いたのは彩月だった。
「…お前…」
「吸血鬼だよ?紺野くん?」
(まだいたなんて…)
由希は驚きを隠せなかった。
「若宮って言ったからまさかとは思ったけど…」
「そのまさか。…でも安心して?私は未羽ちゃん達に手出ししたりしないから。…友達を傷つけたくないの。」
静かに笑って言った。
(こいつ…言ってないのか…)
今の彩月の反応で思った。
「言わないんだ。未羽たちには。」
「言ったら離れるじゃない。恋人と友達って別だし。それに…吸血鬼と人間は結ばれない。」
悲しそうな瞳を向け彩月は言ったのだった。
まるでなにかを堪えるかのように。
その様子を窓から未羽が見ていた。
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