新たな気持ち

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「お待たせ~、ゴメンね?」 何事もなかったかのように未羽は2人に手を振った。 「未羽ちゃん!辞書あった??」 「あったよ。予習出来ないところだったよ。」 笑いながら彩月と2人話していた。 由希の顔が動いたのを見た真奈美は隙をついて話しかけた。 「彩月と何かあった?」 突然言われた言葉に半ばビックリしながらも答えた。 「麻生…。なにもないよ。どうして?」 動揺を悟られまいとわざと淡々と言った。 「嘘だね。表情が動いたのを見たんだから。」 観念なさい、とでも言うように畳み掛けた。 「…麻生には敵わないか。飛鳥からは聞いてたけど。」 ため息をつきあっさりと降参した。 「…麻生は、吸血鬼と人間は結ばれないって思うか?」 唐突な質問。チラリと2人を見てはっきりと答えた。 「思わないよ。それを認めたらアタシや飛鳥、未羽や由希くんまで否定することになる。…結ばれないって思っても足掻いてやる。」 その目の強さに由希も安心した。 「麻生なら言うと思ったよ。俺もあの日に誓ったから。永遠に未羽と一緒にいるって。」 自分の薬指にはめた指輪を触りながら答えた。 「…未羽が言ってたんだけど。」 そう前置きして真奈美は続けた。 「"彩月と由希は雰囲気が似てる"って言ってたけどもしかして…関係ある?」 それは先ほどの内容と全く同じだった。 (似てるもなにも…若宮は…) 吸血鬼…。だけど本人が言うべきだと思って言わなかった。 「由希!ゴメンね、帰ろっか。」 タイミング良く未羽が声をかけた。 そして4人は駅に向かったのだった。
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