~始まりの章・弐~

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「柚樹って誰ですにゃ?」 金髪に顔の整った少女が首を横にかしげた。そのままかしげ続け、限界がくるとまた逆にかしげる。 それを俺の頭上で繰り返す少女。 つまり柚樹と同じ霊魂なんだ。ちょっと柚樹は異なるけど。 だから俺は、何気なくハレと会話してるつもりが、実は周りからみれば…… “独り言を話してる変人” に見えてしまう。 思うだけで通じている柚樹と違い、ハレは声を出さなければ会話出来ない為によく聞こえないフリをしてたんだ。 喋ってたら周りからの視線が気になるし……オマケにコイツの性格とかあんまり好きじゃないし。 正直苦手だし。 『うぉ?結構ひでぇ事言うねぇ~。』 ほんとの事なんだから仕方ないだろ。 そんな時、絶望的な音が耳に響いた。
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