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キーン コーン
カーン コーンー……
チャイムの鐘だ。
教室まであと一歩だったのに………。
諦めた俺は学校の敷地内の自転車置き場に自転車を停め、フラフラ入り口を目指す。
その隣をハレが憑いてくる。
「やっぱり遅刻しちまったか…。」
独り言を呟く。
それにしてもコイツ、こっちの気も知らないでうるさいなぁ。
「ねぇねぇ、柚樹って誰ですにゃぁ??」
「知らん。いいからハレ、とりあえずお前は帰れ!!これ以上は憑いて来るなょ?」
「えぇ~、ひどぉい。知らないってナンデスカ~。」
そう言いながら俺に抱きつこうとするハレの顔を、片手でわしずかみにして止める。
手足をジタバタとさせてうっとおしい。
「憑・い・て・く・る・な・よ?」
「うぅ~………。」
ハレは俺がニッコリ怒ると、変な声を上げ、しぶしぶ帰っていった。
いつからだったか、俺は霊が見えるようになってた。そして触れたいと思えば触れる事さえ出来る。
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