~始まりの章・弐~

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キーン コーン   カーン コーンー…… チャイムの鐘だ。 教室まであと一歩だったのに………。 諦めた俺は学校の敷地内の自転車置き場に自転車を停め、フラフラ入り口を目指す。 その隣をハレが憑いてくる。 「やっぱり遅刻しちまったか…。」 独り言を呟く。 それにしてもコイツ、こっちの気も知らないでうるさいなぁ。 「ねぇねぇ、柚樹って誰ですにゃぁ??」 「知らん。いいからハレ、とりあえずお前は帰れ!!これ以上は憑いて来るなょ?」 「えぇ~、ひどぉい。知らないってナンデスカ~。」 そう言いながら俺に抱きつこうとするハレの顔を、片手でわしずかみにして止める。 手足をジタバタとさせてうっとおしい。 「憑・い・て・く・る・な・よ?」 「うぅ~………。」 ハレは俺がニッコリ怒ると、変な声を上げ、しぶしぶ帰っていった。 いつからだったか、俺は霊が見えるようになってた。そして触れたいと思えば触れる事さえ出来る。
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