~始まりの章・弐~

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見える・触れる・話す事が出来る。これは俺にとって、最大のデメリットだ。 この力が役に立った事もなければ、この力があって嬉しいとか思った事もない。 逆に俺を追い詰めてる感じがする。 特に学校では変なあだ名まで付けられて、周りは冗談半分で言ってるのかもしれないが当の本人は笑えない。 「よぉ!!この連続遅刻魔め!」 そう叫びながら、教室のドアから入ってきた俺に向かって突撃してくる少年。それをいつものごとく横にスラリとかわす。 いつもなら俺にかわされた時点で止まる所を、今日は勢いがつき過ぎてるのか、廊下の壁に激突した。 オデコをおさえてうずくまってる。 「……おはょう木村。大丈夫か??」 「大丈夫……じゃねぇ!めっちゃ痛てぇ!!」 笑いながら言う俺に対して、なんで避けたのかと怒りをあらわにする。 茶髪に目にはカラコンを入れた茶色い瞳。背は俺よりちょっと高いくらいで口にピアスを1つ開けている。 木村 淳司(キムラ アツシ)。 見た目は不良みたいな奴だ。
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