50人が本棚に入れています
本棚に追加
見える・触れる・話す事が出来る。これは俺にとって、最大のデメリットだ。
この力が役に立った事もなければ、この力があって嬉しいとか思った事もない。
逆に俺を追い詰めてる感じがする。
特に学校では変なあだ名まで付けられて、周りは冗談半分で言ってるのかもしれないが当の本人は笑えない。
「よぉ!!この連続遅刻魔め!」
そう叫びながら、教室のドアから入ってきた俺に向かって突撃してくる少年。それをいつものごとく横にスラリとかわす。
いつもなら俺にかわされた時点で止まる所を、今日は勢いがつき過ぎてるのか、廊下の壁に激突した。
オデコをおさえてうずくまってる。
「……おはょう木村。大丈夫か??」
「大丈夫……じゃねぇ!めっちゃ痛てぇ!!」
笑いながら言う俺に対して、なんで避けたのかと怒りをあらわにする。
茶髪に目にはカラコンを入れた茶色い瞳。背は俺よりちょっと高いくらいで口にピアスを1つ開けている。
木村 淳司(キムラ アツシ)。
見た目は不良みたいな奴だ。
最初のコメントを投稿しよう!