~始まりの章・弐~

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ちなみに男だ。 「あ~……あの、先生おはよう。」 恭介は赤月先生に向かい合いニッコリ笑って挨拶した。 でもちょっと顔が引きつってたかもしれない。 「安堂……お前、カバンを持ってるって事は今来たのか?」 低く透き通る声が廊下に響いた。 冷や汗が俺の頬を伝う。 「あのえっと、今来ました……。すみません。」 「また遅刻か、常習犯め。」 「はい常習犯の俺です。」 「廊下に立ってろ。後で反省文を書いてもらうからな。」 謝る俺の姿をいちべつしてから言い放ち、木村へと瞳を動かす。 「木村、まさかとは思うがお前もか?」 「はいそのまさかです!」 元気いっぱいに自ら遅刻を宣言した木村が俺の方を見て笑った。 俺は正直、複雑な気分になった。 
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