~序章~

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「ったく、この服誰が洗うと思ってんだあのガキンチョ。」 ブツブツと呟きながら砂まみれの服を持ってバルコニーへ足を向ける。 「はぁ~……。」 また溜め息を漏らした。 両親が事故死してから早2年。当時の俺はまだ16才で、美紗音は確か5才だったかな。 今はマンションの5階に住み、両親が残した遺産や保険金をあてに生活してる。 親には一応感謝してた。遺産や保険金を残して逝ってくれた事に。じゃないと、俺と妹は親戚をたらい回しされる所だったから。 もちろんこんな生活が何時までも続く訳じゃないから、学校以外で空いた時間を利用してバイトもして貯金だってしてる。 それに大体の家事や炊事などの主婦の仕事はこなせるようになった。 ただ1つ、教育と言う名の、親としての仕事だけはあまり出来ない。
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