~始まりの章・弐~

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『おぃコラ。人形見つめて何やってんだお前……普通にきしょいぞ。』 「……………は?」 柚樹の声で我に帰る俺を、二つのぱっちり目が見ていた。 思い出したかのように美沙音を叱る。 「……あ、美沙音の馬鹿!!こんな時間まで何してたんだ!?今何時か分かってるのか!?」 ビクっと肩を震わせた美沙音は黙ったまま人形を抱き締めた。地面にうつ向き目に涙を浮かべている。 『あ~ぁ、シスコンのお前が妹泣かしたぁ~!』 「あ……。」 つい大声を出してしまった。目の前で泣く美沙音は、俺を嫌いになってしまっただろぅか……? 失いたくない。 今妹を失なえば俺は………      
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