~始まりの章・弐~

19/21
前へ
/65ページ
次へ
「あ……、ごめんな大声出して。只心配したんだ。」 あやすように妹をなだめる。 すると美沙音は、絞り出したような声で一言言った。 「……ごめんなさい。」 うつ向いたまま顔をあげない美沙音の頭の上にポンと手を置く。恭介はニッコリ笑い、美沙音の目線に合わせてしゃがんだ。 目に涙を溜めたままこっちを向く。 「良いよ。」 「………ホントに?」 「美沙音はちゃんと謝ったから、もぅ良いんだよ。だからさっさと泣きやめ。」 俺がそう言うと美沙音は笑った。つられて俺も笑う。 『お前また甘やかすのかょ?』 ……ー悪いか? 『いや、シスコンのお前らしいぜ。』 そう言って柚樹も笑った。  
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加