~起動の章・壱~

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    ……ーお前その傷、虐待だろ? 公園の中にあるブランコに座ってる俺を見て、ケラケラ笑いながら彼は言った。それもまた初めての事でびっくりしたけど、俺は“虐待”の意味が分からず答えられない。 困ってる俺を見て、虐待がどういう意味なのか彼が分かりやすく言った。 ……ー虐待の意味も知らねぇのかょお前は。どうせ親にやられたんだろその傷。弱っちぃ奴だな~お前って。 「俺……弱くないもん。」 プスッと頬を膨らまして反抗した。 でも、あれ……? どうして彼が知ってるの? 俺何にも言ってないのに…… そんな俺を見て彼は嘲笑った。 ……ーチビの癖に俺様に口ごたえしてんじゃねぇょバーカ。 「バカじゃないもん。」 今度は彼を睨みつけた。ただその視線は弱々しく、今にも泣き出しそうな顔。 ……ー頭の悪りぃガキだな。口ごたえすんなっつってんだょバカ。 そういった彼は、俺に誓約者がどういう者なのかを教えてくれた。 その上で俺に誓約しろと、彼は持ちかけてきた。      
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