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「ただいま~。」
ドアを開ける。
誰も居ない暗い部屋に、俺の声が小さく響いた。
部屋に明かりがない事から、美沙音はまだ帰ってきてないのだろうとわかる。
すると微かに笑い声が聴こえた。
………ハレか?
しかし姿をあらわさない為、違うと断定した。アイツなら俺の姿見たり声聴いた瞬間抱き憑いてくるからな……。
『いゃ~モテるね~。』
「うっさい。あんなのにモテたって嬉しかねぇょ。」
ハレとはこのマンションに住み着いた霊。
しょっちゅう俺に憑きまとってくるウザったい奴で、自称ハレにゃんと呼んでるお馬鹿さんだ。
最後に見たのは遅刻した時の学校の中だったから、アレから数日か。
そういゃ最近……姿見せてねぇなアイツ。
『ん?心配かょ??』
「いゃ、成仏したんだろうと思うと嬉しいんだょ。」
ぅんそうだ。
きっとこれは嬉しいんだ。嬉しいに違いない。
それにしても、なんかぽっかり穴が開いたような気がするのはなんでだろ………?
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