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太陽が顔を出し、あれから一日たった。さて、あれからどうなったかというと。
『かなり修羅場になったぁ!』
「なってねぇよ!」
大声出して否定する俺。近所の人達がいきなり大声出す俺に、しかも独り言って事にビックリしてた。
何やら俺を見ながら近所の人達はヒソヒソ話を始める。ヒソヒソ話の内容はなんとなく分かるので、気にしない事にしたけど。
「……はぁ」
今はマンションの中にある階段を、下に向かって降りてる途中である。
『なんだょっ!修羅場じゃなきゃ俺様も読者も面白くねぇじゃん!?』
「柚樹はどうでも良いとして、読者ってなんだよ?」
『あん?この俺様を、どうでも良いとはどういう事だコラ!?』
「いゃ、それより読者って……」
『うっせ!この俺様を、どうでも良いとはどういう事だコラ!!』
2回言ったよコイツ。
「………。」
『……?オィ馬鹿、なんか言えよっ!』
「………はぁ」
本日、恭介は2度目の溜め息を吐いた。
「…俺疲れたから、柚樹はもぅ黙ってて」
『………ふん!』
お、珍しい。
『……うっせぇ』
まぁ良いや。うん。
確かに疲れてるよな、俺。
別に柚樹との会話(念話?)で疲れた訳じゃないけど、なんて言うか、全部、この人形のせい……なんだよな。なんて事を思いながら、手に持ってたカバンを見つめる。
いや実際はカバンの中身を見つめてるつもりだけど。
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