~起動の章・弐~

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    太陽が顔を出し、あれから一日たった。さて、あれからどうなったかというと。 『かなり修羅場になったぁ!』 「なってねぇよ!」 大声出して否定する俺。近所の人達がいきなり大声出す俺に、しかも独り言って事にビックリしてた。 何やら俺を見ながら近所の人達はヒソヒソ話を始める。ヒソヒソ話の内容はなんとなく分かるので、気にしない事にしたけど。 「……はぁ」 今はマンションの中にある階段を、下に向かって降りてる途中である。 『なんだょっ!修羅場じゃなきゃ俺様も読者も面白くねぇじゃん!?』 「柚樹はどうでも良いとして、読者ってなんだよ?」 『あん?この俺様を、どうでも良いとはどういう事だコラ!?』 「いゃ、それより読者って……」 『うっせ!この俺様を、どうでも良いとはどういう事だコラ!!』 2回言ったよコイツ。 「………。」 『……?オィ馬鹿、なんか言えよっ!』 「………はぁ」 本日、恭介は2度目の溜め息を吐いた。 「…俺疲れたから、柚樹はもぅ黙ってて」 『………ふん!』 お、珍しい。 『……うっせぇ』 まぁ良いや。うん。 確かに疲れてるよな、俺。 別に柚樹との会話(念話?)で疲れた訳じゃないけど、なんて言うか、全部、この人形のせい……なんだよな。なんて事を思いながら、手に持ってたカバンを見つめる。 いや実際はカバンの中身を見つめてるつもりだけど。
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