~起動の章・弐~

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そのあと美紗沙音は泣き続けて、そして泣き疲れて眠ってしまった。人形を大事にかかえたまま。 考えれば考えるほど頭の中がぐちゃぐちゃで………。結局大事な事が聞けないまま今に至る。 「わぁぁぁあぁ~!」 自転車に乗りながら叫んだ。その瞬間周りからの視線が痛かったが気にしない。 『うっせぇ…!てかお前どこまで行くんだょ?もぅここ街の外れじゃん』 「街の外れで良いんだょ。こんな所まで美紗音は一人で来れないから万が一でも人形を見付けるなんて事はないし。」 『ん?捨てるだけにすんのかょ??』 「それを今考えてんの!例えば燃やそうかとか、海に沈めちまおうかとか他モロモロ。」 『うっわ、人形燃やしたらバチ当たりそうだな!海に沈めたらプカプカ浮いてきそうだ!怖ぇ~』 「柚樹のアホ!そんな怖い事言うなょ!」 柚樹の声は笑ってた。 俺の声は震えてた。 うん。なんでかわからないけど、いつもの俺達って感じがする。 いゃ俺の声はいつも震えてる訳じゃないけども。 「とりあえず燃やそうと思う。ここらへん川しかないし……。だから人気のない川沿いの橋の下なんかどうだ??そこで焚火して人形を放り込む!んでから勢いよく燃えて人形は跡形もなくなる!!」    『…それで良いんじゃねぇの』 「うわ酷っ!こっちは考えて考えて考えて考え尽くしてこの案にたどり着いたのに!!適当な返事するなっての!」
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