記憶。

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「え…猫?どんな猫?」 「んとね…あたしがまだ小さいころ、お母さんが拾ってきたの。公園で傷ついて泣いてたんだって。真っ黒な姿でね…。」 「そっか…捨て猫かぁ」 「うーん…多分ね。でもね、洗ってあげたらなんと、真っ白になったの!でね、お母さんがその猫に名前つけたんだ」 「なんて?」 「マカロニ」 「え?マカロニぃ?あはは、なにそれ。白いから?」 「うん。白いから。可笑しいでしょう?」 「へー。お母さん面白いね。」 「うん。でね、マカロニを病院に連れていって、お薬を貰って看病してあげたの。そしたら、元気になったの。」 「ふーん。よかったね。」 「うん。でしばらくウチにいたんだ。」 「え?しばらく?」 「うん…ある晴れた日に…いなくなったの。」 「ある、晴れた、日に…?」 「そう。」
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