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数秒の間があって後、人々は今までの静けさが嘘だったかのように騒ぎ始めた。
「うわっ、うわっ、うわ~!」
「きゃああああ」
「ばっ、化け物~!」
その声は悲鳴へと変わり、人々は逃げ惑った。
怪人は、暫(しば)しその光景を眺めていたが、やがてゆっくりと、目に付いた人の群れへと歩き出した。
その内の一人の女性が足を縺(もつ)れさせ、転倒した。
怪人は歩調を緩めずに、女性の方へと歩きながら、真っ直ぐ女性に向かって手を伸ばした。
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