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「お前、そんなんじゃ一生彼氏なんてできないぞ」
「余計なお世話です!」
トートバックを肩に掛け直し、ぷいっとそっぽ向く。
まいったな…
すっかり機嫌を損ねてしまった幼馴染の機嫌を取ろうと、視線を泳がせた先にあったのは、たい焼き屋だった。
「たい焼きおごるからさ、機嫌直してくれよ」
別にお腹が空いてるわけではないのだが、裕也の困った顔と拝むように必死で頼み込む姿に気を良くし、「しかたないなぁー」と許してやることにした。
たい焼き屋は軽トラックを改造した移動型の屋台だった。
トランク部分のスペースはたい焼きを作る鉄板とレジカウンターが装備されている。
カウンターをはさんだ先に店主がいた。
裕也は たい焼きを注文すると、屋台の店主は愛想よく二人に接客をする。
屋台には車のラジオから音楽が流れていた。
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