第1章

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つくづく、めんどくさいタイミングで絡んでくる方々だ  初めは、速攻で振り切って逃げた  その次も、同じように逃げてやった  だんだん人数が増えてきたが、逃げ続けた  そうして気がつけば、二十人位になっていたというわけだ  こいつらの回想終わり  俺よけながら腕にはめた腕時計を見た  別に、高くはないデジタル時計だ  そこには、8:20と表示されていた 「やっべー!遅刻する!」  あのうざいしゃべり方をやめて、かわしながら逃げ道を探す 「なんか、しんねーけどあせりだしたな、田淵!あのうぜーしゃべり方がなくなってるぜ!」  リーゼントの言葉を聞き流しながら逃げ道を探す 「お前たちとは違って、俺は学校に行ってんだよ」  小さい声で悪態をつく 「ここが正念場だ!かかれ!かかれ!」  正念場なんて言葉良く知っているな、不良のくせにと思いながら探していると 「痛っ!」  一人の不良が、誤って地面をたたいてしまい痛がっているのが見えた  俺は、その不良の方に駆け出した 「へぇ!」  俺に気づいた不良が変な声をあげえいる 「おらぁ!」  俺は、ジャンプしその不良を踏み台にして二段階ジャンプを決めて不良の輪から逃げ出した  当然、俺に踏み台にされた不良はバランスを崩し地面とキスをしている 「じゃあ~、さよなら~」  またあのうざいしゃべり方をして学校に向かって走り出した  ぽか~んとしていたリーゼントとその仲間たちは、俺が逃げるのを見て 「お、追いかけろー!」  リーゼントが叫びをあげて命令するがもう遅い  俺は、後ろで小さくなっていく不良たちを眺めながら学校に向かって走りだした 「はぁ、疲れた」  ため息をついた 「まあ、体が温まったし、いいか」
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