第1章

8/12
前へ
/25ページ
次へ
「何処行くんだよ、款!」  一基の呼びとめる声と、朝倉先生の声が聞こえたが俺はそれを無視して屋上まで走って行った  俺は屋上に着くと息を整え手紙をもう一度開いた                                  多淵 款梨  ここでは初めましてと言うべきだと思います  急なお手紙にびっくりされえいるかもしれません    この度、お手紙を送らせていただいた理由は一つ    あなたを、〈ブレイング・オーバードライブ〉に参加していただきたくお手紙をお送りさせていただきました    〈ブレイング・オーバードライブ〉というのは、聞き覚えのないものだと思います  そして、こんな手紙を送っている私を信用しろと言っても無理なことはわかっております    ですが、その無理とわかっていてお願いがあります    わたしを、守ってはいただけないでしょうか    あなたが望むなら、私があなたにあげられる物なら何でも差し上げます    もし、私の話を少しでも聞いていただけるのなら朝のHR後、屋上でお待ちしております  と、手紙には書いてあった  俺は、〈ブレイング・オーバードライブ〉に興味があるわけでも、この手紙の内容にも興味がってこの場所に来たわけではない  ただ一つの、ただの書き間違いかもしれない一つの点を問いただしにここに来たのである  そう、あの忌まわしき真名について  ガチャ  そんな音がして、後ろの鉄扉が開かれた  俺が振り向くとそこには一人の少女が立っていた  少女はこの学校の生徒なのだろう、学校の制服を着ていた  少女は、少し驚いた顔をしたがすぐに落ち着きを取り戻し  そして、少女は、凛とした声で話を始めた 「まさか、私より早くここにきているとは思いませんでした」  少女は、少し間を開け 「ここにきていただけたということは、私の話を聞いてくださるのですか」
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加