東日本大震災にて

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皇居の食材を供給する御料牧場から大量の食料を被災地へ援助。さらに皇族も利用する御料牧場の浴室施設を公開。 「震災のニュースを流す場合は切ってもかまわない」と被災者へ向けたビデオメッセージを報道機関に渡す。 混乱がないよう、しかし一時も早くと、4月末日に被災地へ赴き、直接声をかけて祈りをささげる。 国民とともにあり国民のために祈りを捧げる天皇陛下と、まわりの人々のために自分を投げ出して戦う日本国民。 福島原発では放射線の恐怖があるのに何百人の人々が乗り込んでいる。うち若い人や「過去に働いた責任」と定年退職をした人もいる。 もちろんその一方で、自分の面子やこれを機に自分を売り出したいという欲、自分の保身と、面倒なことに巻き込まれたくないという政治家もいる。電力関係者などの幹部もいる。 そういう混乱のために被災地に送られないで死蔵された全国からの善意の救援物資もある。 そういう人々を利用しようと物資や募金を掠めとったという噂や、間違った噂を流す人。 被災を機にもうけようとする人びと。現地で高値で物資を売りつけたり、「これはビジネスだ」と公言する人。不足するものを買い占める人。 逆境にある人こそ必死で、テレビしか見ない人は他人事という温度差もあるかもしれない。 しかしこういう非常事態だからこそ人の本性が見えるものだ。 先ほどの硫黄島の話など、公共心乏しい人が増えたからこそ、今回の地震から伝える話があるのかと思ってしたためた。 いずれ過去の日本人にこの地震はどう評価されるのか。 命をかけて戦った人びとをしっかり伝えないといけない。太平洋戦争で忘れられた人びとがいたように。
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