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ようやく返事が返ってきたので少女は声がした方に飛び込む。
「おっつかれーいっ!!」
彼女は元気な言葉と同時に小さな人影に勢い良く抱きついた。
「ちょっ……と、ナオ!」
突然抱き付かれた小さな少女は、慌ててショートヘアの少女、つまりはナオを引き剥がそうとした。
が、体格差が大きいためか力負けしている。
ナオは構わず抱きついたまま少女に頬を刷り寄せる。
「お疲れさまはー?」
ナオに身動きを封じられた少女は忌々しげに彼女を見返し、頭を振った。
頭部の八分目程で左右に分けたゴールドの髪が右へ左へ大きく宙を流れる。
「どうしてもって言うなら、あんたが離れたら言ってあげる……」
深く、蒼い瞳の中に諦めと不快感とを込めてナオを見やる少女。
彼女はネヴァ。
さっきの巨人兵の中にいた搭乗兵だ。
若く見えるが年齢は24歳。
この物語の中核となる人物である。
ちなみに、彼女は今スネてはいないと言うが、そんな時に限って烈火のごとく怒っているのだというのはナオが発見した定説である。
近く学会で発表するとのこと。
一体どんな学会なのか、そんなことは詮索するだけ無駄だったりするが。
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