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市街地近辺に現れた人類の天敵、リザードマンと呼ばれる巨大トカゲ。
市民から、そいつらを見たという通報が相次いだ為に軍の出番と相成ったまではいい。
偉い人たちが作戦会議においてネヴァ達に散々侮辱の言葉を掛けてくれたのも、いつもの事だ。
出動した戦車部隊は住民を退避させた後、二匹のリザードマンを一旦は包囲したものの結局は見失い、逃げられ、一時撤退。
数時間後、作戦を練り直し再度捜索することになった。
その結果が先のざまだ。
作戦会議時にネヴァが提案した、戦車部隊に先行し発見次第殲滅する、という案を、
「戦力外には発言権など無い」
「足手まとい」
「思い上がりも甚だしい」
などという暖かい言葉で問答無用で却下しておきながら、である。
馬鹿げている、とネヴァは思う。
彼女の搭乗する巨人兵。
白兵戦車「MI-11J」愛称アイアンメイデンは対リザードマンにおける切り札として生まれたのだ。
戦車、とは名ばかりのその姿には、それなりに理由だってある。
9mにも及ぶ全高は敵に威圧感を与えるし、二本の足は無限軌道が役に立たない地形に対しての保険である。
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