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役立たずの白兵戦車など欠陥品、人集めの道具になれば良い。
それがお偉方の考えであるらしい。
だがその理屈は、ネヴァに言わせれば歩兵がいきなり戦闘機で急降下爆撃をやれと言われて出来るのか、という話になる。
大体にして、白兵戦車などという立派な名前を頭上に戴いているにも関わらず、アイアンメイデンには訓練のプログラム標準すら組まれていないのである。
――まともな訓練も無しに普遍の戦果を挙げることの出来る兵器があるなら、是非とも教えてもらいたいものだわね。
それがネヴァの口癖である。
そしてもうひとつ、搭乗兵に子供や女性が多い理由があった。
「こういうもの」の扱いは子供や女性の方が向いている、という仮説である。
言うまでもなく、能力の伸び代というものは生物として完成し、あとは劣化して死んで行くだけの大人よりも、未熟故に成長段階にある子供の方が優れている。
概してスポーツにしろ勉学にしろ、幼い頃から慣れ親しんでいる者の方が、大人になってから始めた者よりも上手なものだ。
若い内から複雑な操縦系統に慣れさせるというのは間違いなく有力な手だった。
飲み込みも早く、経験値の蓄積期間も長く取れる。
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