ネヴァ 不老の少女

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 ネヴァは、いぶかしむように眉をひそめ、シドの背を追った。  「……鉄拳?」  「ゲンコツってこと?」  嵐が去ったと見たナオがその後に続く。  シドはガレージの隅に置かれた濃緑色のシートが被せられた大きな長方形の前で立ち止まると、一気に引き剥がした。  ネヴァが怪訝な顔で首を傾げる。  「骨董品のロケットランチャーには見えないけど?」  それは無骨な鉄の塊。  長さと幅はMI-11Jの前腕部とほぼ同等。  頑丈な骨組みの中に太い鋼鉄製の支柱のようなものが入っていて、その根元の辺りには大型の弾倉らしきもの。  ようやくその正体に気付いて、ネヴァは失笑してしまった。  「まさか杭打ち器とか言わないよね?」  振り返ったシドが睨む。  「馬鹿言うな! 打ち出し式の棍棒と呼べ!」  「棍棒ねえ?」  ネヴァはもう一度、怪訝な顔で首を傾げた。  パンツァーファウストとやらをよく見ると、中のシリンダーみたいな棒状の物の先端は丸みを帯びていて、確かに打ち抜く、装甲を貫通させるという用途には向いていないようだった。  「撃ち出した衝撃で殴り倒し、そのまま殴打できる。ま、頭蓋にブチ込みゃ奴等だって初撃で即死だろうがよ。どうだね、ネヴァ。お前さん好みだろうが」
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