トラブルメーカー ルリカ

8/8
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
 「私は目の前で家族を食い殺されたのよ!?」  「よくあることだわ。大事なのは自分が殺されずに相手を殺すコト……それだけを考えなさいな。余計なコト考えてると長生きできないよ。肝心な時に判断が鈍るからね」  冷ややかなネヴァの言葉にルリカが何か言い返そうと口を開いた時、耳障りな警報音が辺りに響いた。  「友軍より救援要請。リトルウィッチは至急現場へ急行せよ」  要約すればそんな内容の放送を数回繰り返しながら。  ネヴァは、やれやれと苦笑する。  いわく「戦力外」をよくも頼ってくれるものだ、と。  「今日は忙しいね……ルリカ、まだ私に言いたい事があるなら生き残ること。そしたら、話くらいは聞いてあげる。ナオ、あんたは何ボサッとしてんの。早く戦闘服に着替えてきなさい」  着替えの指示を受けたナオは肩を落として。  「あーん、気持ち悪いよー……さっとシャワー浴びてきていい?」  けれど、残念なことにネヴァは聞き入れてくれそうにない。  「どうせまた汗かくんだから戻って来てからでも同じ。行くよ」  「ネヴァはそれでもいいけどさぁ……」  ナオの不満に耳を貸さず、ネヴァは二人を連れて更衣室へと走った。  些細なことでも未練があるなら、残してやった方がしぶとく生き延びる。  そんな期待があるから。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!