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「この先に奴らの巣が見付かった……そんな訳で、上はこの都市の放棄を決定した。お前達は巣を潰すか、可能な限りの損害を与えろ。手段は問わん、幸い民間人の退去は済んでいる」
その言いぐさに、ネヴァは呆れたように笑った。
「社交辞令でも、今後はもう少し口の利き方に気を付けることね。戦闘の巻き添え食って死にたくないなら、のハナシだけど」
相手からの返答は無かった。
ネヴァは口元に薄く笑みを浮かべてMI-11Jの足を止めた。
後続の二両もそれに倣う。
それを確認し、ネヴァは無線を開いた。
「それじゃ状況開始。喜びなさいナオ。今回は好きにやれる。ここは放棄されたらしいから……攻撃目標は巣。位置は……」
ネヴァは右手側の照準レバー手前にある小型のインフォメーションモニターに視線を移した。
どうやらさっきの連中が情報を送ってくれたらしい。
「ここから北西に五キロ先のオーダーホテルの地下」
「ちょっと待って、ネヴァ」
ルリカが戸惑いの声を上げる。
「巣って……」
ネヴァは不思議そうに首を傾げた。
「決まってるでしょう。憎きトカゲ君達の巣穴」
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