ホットエリア 奴等の巣

3/22
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
 「この先に奴らの巣が見付かった……そんな訳で、上はこの都市の放棄を決定した。お前達は巣を潰すか、可能な限りの損害を与えろ。手段は問わん、幸い民間人の退去は済んでいる」  その言いぐさに、ネヴァは呆れたように笑った。  「社交辞令でも、今後はもう少し口の利き方に気を付けることね。戦闘の巻き添え食って死にたくないなら、のハナシだけど」  相手からの返答は無かった。  ネヴァは口元に薄く笑みを浮かべてMI-11Jの足を止めた。  後続の二両もそれに倣う。  それを確認し、ネヴァは無線を開いた。  「それじゃ状況開始。喜びなさいナオ。今回は好きにやれる。ここは放棄されたらしいから……攻撃目標は巣。位置は……」  ネヴァは右手側の照準レバー手前にある小型のインフォメーションモニターに視線を移した。  どうやらさっきの連中が情報を送ってくれたらしい。  「ここから北西に五キロ先のオーダーホテルの地下」  「ちょっと待って、ネヴァ」  ルリカが戸惑いの声を上げる。  「巣って……」  ネヴァは不思議そうに首を傾げた。  「決まってるでしょう。憎きトカゲ君達の巣穴」
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!