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数時間後、リトルウィッチ小隊駐屯地にて。
先程の都市部からニ十キロほど北上した地点。
そこに50m四方程度の広さのガレージがあり、あの巨人兵が三体、適度な間隔を開けて座り込んでいた。
三者とも胸の鉄板が開き、そこから操作装置とおぼしき機械が僅に顔を見せている。
中に人間の姿は無かった。
「ネヴァ、お疲れっ」
巨人兵の投げ出された脚の影に向かって声を掛ける者がある。
ブラウンのショートヘアをかきあげる利発そうな少女だ。
「男気」と達筆な文体が大きくプリントされたTシャツにタイトなジーンズというラフな出で立ちをしている。
すらりと伸びた腕と脚、引き締まった腹部、形よく膨らんだ胸から腰にかけてのしなやかな曲線。
彼女の健康的な身体のラインが透けて見えそうにすら思える。
それ故に周囲の、おそらくは巨人兵の「世話係」であろう、オレンジで揃えたツナギ姿の男達からの悪い意味で好意的な視線を一身に集めているが、本人は気にしている様子がない。
「ネヴァー? どしたのー? もしかしてスネてる系ー?」
返事が無いことに僅かばかり頬を膨らませた少女は、改めて巨人兵の脚と脚との間を覗き込んだ。
「聞こえてる。あと、別にスネてない」
それは言葉の割にはややむくれているような子供の声。
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