第一章「消失」

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「なんでついて来るんだよ!」 「あの・・・いやぁ・・・その・・・」 俺でも解らん。 「あたしはこれから住宅街に行くんだよ」 「あっ!その辺は俺の家があるから人通り探したぞ」 「・・・・・」 彼女は回れ右した後坂道を下り始めた。 「あんた何処まで探した?」 俺の所まで下りてくると耳にささやくように言った。 「えっと・・・ 住宅街と近くの学校に商店街」 「あたしが探そうとしてた場所・・・」 「とりあえず隣り町まで行くしか・・」 「たぶん誰も居ないよ」 「えっ!?」 「あたしはその隣り町から来たから・・・」 「・・・・・」 打つ手なし。 「少なくともこの町には居ない」 「・・・・・あぁ」 俺はその場で座り下を向いた。 頼れる人が居ない。 面倒してくれる人が居ない。 これからどうすれば! 「ねぇ」 「ん?」 「あんたも起きたら誰も居なかったの?」 「!?」
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