第一章「消失」

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にしても静かだ。 急いでて気にしてなかったけど 学校に行くまでの道に誰一人居なかった。 まぁ遅刻寸前だったから生徒の姿はなかった。 でも大人の姿もなかった。 花の水やりしているおばさんも コンビニに居座る 不良女子高生達でさえ。 この学校にしても 今日は変だ。 教室から物音一つしない。 日にち間違えたか? 休みでもない ましてや火曜日だぞ? 「ガラガラ」 俺は教室のドアを開ける。 「・・・嘘だろ」 誰もいない。 俺は長い夢を見てるんだ。 そう!そうに違いない! 「はぁはぁ」 俺は廊下を走りつづけた。 「バタン!」 勢いよくドアを開けるが誰もいない。 保健室にも職員室にも1年、2年、3年の教室にもいない。 「はぁはぁ」 走りすぎた。 もうヘトヘトだ。 めがねが曇ってきた。
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