父の失業

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父が退職してきた日、私は、自分の収入が当てにされることを一番恐れました。その時、妹は、まだ学生だったので。 普通に仲良し家族さんなら、家計を助ける為に、社会人の私が生活費をいれるのが当たり前です。父に普通の価値観があれば、私も迷わずそうしたと思います。父には、ないのです。例えば、生活費を入れたら、自分のお小遣いにしてしまう人なんです。タバコ、ギャンブル、女遊びは、しません。お酒もそんなに飲みません。いい人そうですね。何にお金を使うかというと…それは、買い物とお布施です。買い物依存、お布施依存といってもいいと思います。高額な買い物する時の、特別扱い?店員さんのちやほやが、大好きなんです。お布施を納める時の、相手のちやほやが、大好きなんです。 とにかく、褒められ、ちやほやと優しくされたい。その為には、お金がないといけない。そうです。父は、お金しか信じることが出来ない人なんです。だから、嫌々でも会社に行ってたんです。でも、職なしになってしまいました。母がまだ、お星様になっていない頃に、パートに行くようになりました。父は、生活費を入れなくなりました。買い物して、買い物して、買い物しまくりました。会社から、お金も借りて、買い物してました。母は、父の年収を知らずに亡くなりました。だから、社会人になっても、生活費を入れないで、お金貯めて、家を出るつもりでした。妹と一緒に。本当に怖いですもん。3万入れたら、次は、5万とエスカレートしていく様子が、未来が見える。
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