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拓斗の一言に「まさかぁ居る訳無いだろって……。」と言いながら振り向くと……。
「わ゙!? 出たぁ!!」
亮介が、まるでお化けを見たかの様に驚いたのだ。
「人を化け物見たいな目で見るんじゃない! 全く、七里はともかく、お前は何回遅刻したら気が済むんだ!?」
五十嵐は、手に持ってた竹刀をパシッパシッと音を鳴らせ怒りはじめた。五十嵐の後ろに物凄いオーラ見たいな物が見えた……気がする。
「俺は、良いのかよ…。」
「そ…そうだ! 拓斗だって遅刻じゃないか! 俺だけえこ贔屓じゃね!?」
「うるっさーい!!」
ものすごい声が周りに響き渡る。耳が痛くなる位の罵声に厳しい体罰。これが五十嵐の不人気の理由だ。
「ワシはな……お前みたいなチャラ男が、大嫌いなんじゃ! 今日と言う今日は覚悟しろ!」
「わ!?逃げろ~!拓斗、カバン頼んだ!」
亮介はバックを拓斗に渡して、校庭の方に逃げたのだ。そこから五十嵐が竹刀を振り回して追い掛ける形に……。
「高校時代野球で鍛えたワシの体力ナメるでない! 待たんかコラー!」
††††††††††††††
教室内
今は、ホームルーム前の朝読書の時間だ。この時間には9割の生徒が当校してる。
"マタンカコラー"
"マジカンベンシテクレ!"
教室内からでも聴こえる二人の声。教室内からクスクスと笑い声が漏れていく。
「ねぇねぇ。亮介また追いかけられてるじゃん。」
ショートボブで猫目の女子が、隣席の細身で顔が眠そうな男子に話し掛ける。
「ぷっ……またかよ! 毎度、懲りないよな……入学してからもう150回は越えたんじゃないかな?」
「かもね。あそこまで行くと天性ね。」
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