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亮介が追いかけられてる間に、俺は教室に向かう。ちなみに二人とも3年4組。この中学は3学年の5クラスで出来ているのだ。
慎重にドアを開けたら、回りは本を読んでいる人ばかり……まだ朝読書中だった。
まだホームルーム前だったので、他にばれない様に席に向かう。ついでに亮介のバックを亮介の机に置いた。
「ふぅ…危なかった~。」
席に着き、とりあえず一息を付く。鞄から小説を取り出そうとすると、隣の女子と女子の後ろの男子から話し掛けられた。
「拓斗おはよ。遅刻なんて珍しいね。」
「なんだなんだ? オナってたか?」
「……未来、誠也おはよ。たまたま寝坊だよ。そんなに俺が遅刻なんて珍しいか?」
隣の女子は、綾瀬未来(アヤセミク)。クラスでベスト3に入るくらい可愛い子だ。さらに、男子顔負けの運動神経で野球部に所属。ポジションは投手。
後ろの男子は、速水誠也(ハヤミセイヤ)。足が早く、運動会のリレーでは、いつもアンカーでヒーローになる位。暇があれば寝ている。彼も野球部でポジションはショート。
未来はビックリしたような表情をしながら、こちらを見つめた。
「だって、拓斗いつも早く来てグラウンドで朝練してるじゃん。」
「まぁアイツは毎度の事だけど。」
アイツ=亮介
普段、俺は頑張り屋さん。練習が好きな野球少年なのだ。
「昨日は、スポーツニュースを見てて寝るの遅かったんだよ。」
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