2299人が本棚に入れています
本棚に追加
実は、拓斗は捕手もできる。未来の球を長年受けていたら、出来るようになっていた。
しかし左利きなので、基本は未来の練習&壁役なのだ。自主練習の時は、未来がほとんど投げて拓斗がボールを受ける。
「…………よし。」
未来は集中してる。いつもと違い、顔付きが変わる。
未来は振りかぶり、体を捻らせフォールスルー時に、やや下からボールを放つ。
これは、一般的にアンダースローと言うが、未来のはオリジナルでサイドスロー気味に投げるのだ。
この投げ方は、肩よりも体全身を使って投げる。つまり、バランスが重要なのだ。
未来の指先から放たれたボールは、どんどんグローブに向かって一直線に伸びる。
"バシッ!"
そして、ボールは拓斗が構えた場所に、吸い込まれた。軽く投げて約110km位出せている。
(やっぱりコントロールすげぇ……構えた所にドンピシャだぜ。)
「ほら! 早く早く~。時間ないんだからさ~。」
考えるけど、未来に早く投げてと言われて、すぐにボールを投げ返した。
「ナイスボール!」
「今日は調子良い! どんどん行くよー!」
未来は満足そうに答える。
(女の子なのに、このレベル…俺より絶対上手いんだろな。)
考えながら拓斗はボールを受け続けた。
しばらく投球練習に付き合うと、辺りが暗くなってきた。拓斗が時計を見ると、時刻は17:30を過ぎていた。
「じゃあ……今日は、この辺で終わりにしよ? ボールも見えにくくなったし。」
「そうね。今日はありがとっ! 久々にキャッチボール出来て良かった!」
「こちらこそっ。じゃあまた明日!」
二人は家に帰った。帰り道、二人は不思議と充実していて笑顔が絶えなかった。
††††††††††††††
誠也Side
「zzZ……すかー……むにゃむにゃ……。」
誠也は、家に帰ってからずーっと寝てた……そうです。
多分4時間は立ってます。
††††††††††††††
亮介Side
「あー! 反省文なんて何書けばいいんだよ(泣)」
机に3時間座って、反省文を書いていた…(笑)
最初のコメントを投稿しよう!