夏の大会に向けて

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 実は、拓斗は捕手もできる。未来の球を長年受けていたら、出来るようになっていた。  しかし左利きなので、基本は未来の練習&壁役なのだ。自主練習の時は、未来がほとんど投げて拓斗がボールを受ける。 「…………よし。」  未来は集中してる。いつもと違い、顔付きが変わる。  未来は振りかぶり、体を捻らせフォールスルー時に、やや下からボールを放つ。  これは、一般的にアンダースローと言うが、未来のはオリジナルでサイドスロー気味に投げるのだ。  この投げ方は、肩よりも体全身を使って投げる。つまり、バランスが重要なのだ。  未来の指先から放たれたボールは、どんどんグローブに向かって一直線に伸びる。  "バシッ!"  そして、ボールは拓斗が構えた場所に、吸い込まれた。軽く投げて約110km位出せている。 (やっぱりコントロールすげぇ……構えた所にドンピシャだぜ。) 「ほら! 早く早く~。時間ないんだからさ~。」  考えるけど、未来に早く投げてと言われて、すぐにボールを投げ返した。 「ナイスボール!」 「今日は調子良い! どんどん行くよー!」  未来は満足そうに答える。 (女の子なのに、このレベル…俺より絶対上手いんだろな。)  考えながら拓斗はボールを受け続けた。  しばらく投球練習に付き合うと、辺りが暗くなってきた。拓斗が時計を見ると、時刻は17:30を過ぎていた。 「じゃあ……今日は、この辺で終わりにしよ? ボールも見えにくくなったし。」 「そうね。今日はありがとっ! 久々にキャッチボール出来て良かった!」 「こちらこそっ。じゃあまた明日!」  二人は家に帰った。帰り道、二人は不思議と充実していて笑顔が絶えなかった。 ††††††††††††††  誠也Side 「zzZ……すかー……むにゃむにゃ……。」  誠也は、家に帰ってからずーっと寝てた……そうです。  多分4時間は立ってます。 ††††††††††††††  亮介Side 「あー! 反省文なんて何書けばいいんだよ(泣)」  机に3時間座って、反省文を書いていた…(笑)
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