夏の大会に向けて

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「よーし! 全員グラウンドに集合!」 「「あっす!」」  監督の一言で部室にいた部員は元気よく挨拶して、グラウンドに向かった。  マウンドからホームベースまで広く使い、監督に近い方が三年生。後は、その後ろに散らばる形になった。  監督の見た目は四十代後半っぽいが、実は見た目より若い。あごひげに眼鏡をしており、身長が180近くある。  グラウンドに集合して並ぶと、監督が皆の前に行き、話しはじめる。 「俺は、この野球部の監督件顧問の名無騎士(ナムナイト)だ。授業の担当は主に三年生の社会を担当している。我が野球部に入部したからには三年間厳しく行く! 目標は区別大会優勝だ。以上だ!」  監督が話し終わり、一年生達がどよめく。 「じゃあ次は、我が野球部のキャプテンである高瀬から一言。」 「はい!」  元気に返事をして努は、監督の隣に行き自己紹介をする。 「えっと……俺がこの野球部のキャプテン高瀬努だ! 一年生とは少ししか関われないが……皆、よろしくな!」  少し努の顔が赤くなっている。恥ずかしかったのだろうか? 全員が拍手して努は、少々照れながら言う。 「じゃあ……次は、一年生から自己紹介して貰おうかな? 左の奴から言ってけ! 元気良く頼むぞ!」  努が言うと左の奴が元気良く喋る。頭をかきながら、自己紹介をする新入部員。身長が拓斗くらいある奴は、緊張しながらも言いはじめる。 「はい! 自分は○○…」  一人一人自己紹介が始まる。新入部員には個性が強い奴や、見た目が弱々しかったりと様々だった。 「じゃあ…最後にお前だ。」  一通り終わり、残り一人となる。最後は、髪が赤く大人しそうな雰囲気を持った可愛らしい子。 「はい。僕の名前は初川豊(ハツカワユタカ)です。リトルリーグで三年間野球をやってました。ポジションは二塁手です。よろしくお願いします!」  俺が初川を始めて見た時の感想は、引っ込み思案な子と感じた。声が中性的で女子かと思えた。 「よし! 一年生は全部で6人か! 皆、夏の大会に向けて頑張るぞ。」 「はい!」
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