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昨日、ユウヤ兄ちゃんと別れた後、
私は夢中で駆け出していた。
周りの景色には目もくれず、
一直線にユウヤ兄ちゃんの家を目指した。
久しぶりに見たユウヤ兄ちゃんの家。
でもあの時の私には感慨に浸る暇はなかった。
玄関はユウヤ兄ちゃんの言っていた通り鍵はかかっていなかった。
私は家に入ると玄関に鍵をかけ、
家中の他のドアや窓にも鍵をかけ、
カーテンを閉めた。
そしてソファの上で丸くなりながら、
ガタガタと震えていたんだ。
私は不安で堪らなかった。
早くユウヤ兄ちゃんに帰ってきてほしい。
そればかりを考え時計を見つめていた。
そして気が付いたら、
次の日の日中帯になっていて、
ユウヤ兄ちゃんが家にいたんだ。
「ユウヤ兄ちゃん、どうやって家に入ったの?
家中どこも鍵をしたはずだけど。」
「あぁ、これさ。合い鍵。
財布の中にいつも合い鍵を入れているんだ。
だから家に入ることが出来たんだよ。」
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