第二十二章

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「そうだったの。」 カエデはどうやって家に入ったのかは納得したが、 昨日自分の少し後には帰ってきていたという ユウヤの話には納得していなかった。 昨日は確かに時間の感覚があいまいで、 自分が何時まで起きていたかはわからない。 だけど神経が高ぶっていた昨日の状態なら、 深い眠りにつく前なら、 ユウヤの存在に気付くはずだ。 本当に昨日そんなにすぐ帰ってきていたのなら。 「カエデちゃん。 落ち着いたら駅まで送っていくから、 帰りたくなったら声をかけてね。」 「うん。ありがとう。 そうだ!! お守り!! これをユウヤ兄ちゃんに返しにきたの。」 カエデは持ってきたお守りを出しユウヤに渡した。 「ありがとう。」 ユウヤはお守りを受け取ると、テーブルの上においた。 「それ。その可愛いやつ。 お兄ちゃんも似たようなのを持ってたんだけど、 色違いなの。 野球部員みんな違う色なの?」
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