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私の前方は昏く 手探りでおそるおそる進むしかなかった 私の後方は冥く 振り返る度に力を奪い取られた 今いる場所はささやかな光で照らされているだけで 重荷だけが与えられていた全てだった 希望や願いなど数瞬の慰めでしかなく 足取りは依然として重いものであった 何故進んでいるのかすら曖昧になり 惰性だけが私を動かす全ての様に思えた 感情は希薄になり 感覚は鈍化され 心がゆっくりと確実に衰えていく それが私の進む道 それだけの道
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