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夢はいつか覚めるもの。
俺の身体は次第にシーツの海に沈んでいく、ふと見ると彼女はとうとう泣いていた。
「フェリーぺ、フェリーぺ。アタシね、人間が羨ましいと思うわ。だって一途で一生懸命で不器用で愛おしくてたまらないの!」
だんだんこみ上げてくる息苦しさ。もがいて絡み付くシーツから逃げようとするけど余計に沈んでいって、最後に伸ばした腕は彼女に届かない。
「あぁ、アタシも人間が良かったわ。魔法使いだなんてつまらないもの。ねぇ?フェリーぺ、…フェリーぺ。」
シーツの隙間から見えた彼女は、ニーナは。泣いて赤くなった頬のまま笑っていた。
「アタシ、人間になれるかしら?」
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