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まばたきをすると視界は変わり、伸ばした手の先には彼女ではなくいつもの薄汚い天井で。 寝起きで気だるい身体を動かすと纏わりつくのは夢の中の白いシーツではなく無造作に放置された服。昨日まではきちんとたたまれていた服はしわくちゃになっていた。 ベッドに手をついて起き上がってため息をつく。 (…そうだ、ニーナは…) 意識がきちんと覚醒したので窓の外を覗くと夜空と青空の境目が見える、夜明け独特の微妙な光を遮るように腕で目を塞いでまたため息をついた。 「……こんな気持ちも何もかも全部ごちゃ混ぜにできたらいいのになぁ」 やっと出た声は弱く掠れた声。 「俺の魔法でみんなハッピーになれればそれがいいのにな、」 誰に言うでもなく呟くとパジャマにか黒いスウェットを着た少年は足元の暖かさに気づき、そちらを見ると乱れた布団が丸く膨れていた。 またか、と足元の布団をめくると1人の少女が猫のように丸くなってスヤスヤ気持ち良さそうに寝ている。  
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