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しかしめくられた布団のおかげで身体が冷えたのか寝心地が悪くなったのか声を洩らしながらゆっくり目を開けた。
「……J(ジミー)…?」
まだトロンと眠そうな目で少年を見る少女、一方Jと呼ばれた少年は少女に布団を掛けた。
「ごめんな?K(ケラ)、起こしちゃって…」
少女、Kは戻ってきた暖かさに満足して気持ち良さそうに欠伸をする。JはKが寝返りをうつにを確認するとギシリと音を鳴らしてベッドから降りた。
するとKが布団から顔を覗かせる。
「J?どっか行くの?」
「‥‥‥目が覚めちゃったからな、今更寝れないし」
そう言うとJは覗かせているKの頬を両手で包んだ。途端伝わるぬくもりと小さなKの悲鳴。
「手ひゃっこい!」
Kは夜明けの冷たさにすっかり冷えたJの手から逃れるように布団の中へ潜り込んだ。Jは中まで追わず、膨らんだ布団の上からポンポンと優しく叩く。
「まだ夜明けだ。Kは朝まで寝てな」
小さく呟いてJは部屋のドアノブに手を掛けた。すると背後でのそりと音がしたので見てみれば布団から今度は片腕を出したKが眠そうに手を振っている。
「いってらっさい、J、」
「………」
Kの腕を見たJは顔を歪ませた。
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