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その腕には所々まるでナイフのような刃が生えているのだ。しかもそれは両腕、おかげでKの腕や手、時には顔に生傷は絶えない。 端から見れば異形だが、J“達”にとってはあまり珍しいものではなかった。 この世界にはまだ魔法が生きていて、魔法使いは当たり前のような忘れさられたような存在で。 主に東西南北に分かれた魔法使い達はそれぞれのルールに従って日々を過ごしている。 例えばKやJ、彼らのような東の魔法使いは『何かを傷つける魔法』。 Kの両腕はそんな彼女の魔法なのだが魔法と本人との相性が悪かったらしく身体に影響を及ぼしていた。 「…いってきます、おやすみ。K」 すぐに表情を変えてそう呟くと、Jは音をたてないように注意してドアを閉める。  
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