36人が本棚に入れています
本棚に追加
/251ページ
「行くのか…初音」
「ええ…」
「これで…これで終わるのだな…」
「そうね…」
「多くの同志を失ってきた…それも今回で最後だ…」
「人は産まれた時から死に向かって歩きだすのよ…死ぬのが早いか遅いかだけ…」
「だが我々は違う…」
「仕方無いわよ…宿命だもの…」
「…」
「行くわ…」
「ねぇ!聞いてる?」
「え?何?」
窓際で気持ち良く黄昏る私に、優香里が話かけてきた。
「もう…何黄昏てんのよ!」
「あ、めんごめんご」
「…今時めんごって…死語だよそれ…」
優香里とは小学生からの親友だけど…未だに私のギャグセンスをわかってくれない。
周りの友達は皆、私の事を天然とか化石とかオバサン臭いとかバカとか言うけど、それは私がずれているんじゃ無くて、きっと皆がずれてると思うの、だって…ってかバカって酷くない?。
優香里「ねぇ!聞いてる志穂?何ブツブツ言ってるのよ…」
志穂「え?何?」
優香里「はぁ…もういいよ帰ろ」
何を沈んでいるのかわからないけど、私は優香里と何時ものように下校する事にした。
下校の時は決まってボスバーガーかスーパータイゾーに寄って行く。
てか、その2件しか寄る所が無いほど、ここは田舎町なんだけど。
優香里「ねー、タイゾー寄っていこ」
志穂「うん、いいよ」
私は優香里の誘いに二度頷いた。
まあ何時も何も買わないで、冷やかしで服や小物を見て、八百屋の隣の自販機でジュース買って帰るんだけどね。
でも今日は何か違う…。
空気と言うか、雰囲気と言うか…何だろうこの感じ…。
あと誰かにつけられているような気がする…。
優香里「ねー志穂、さっきからキョロキョロしてるけど、どうしたの?てかキョドっていてキモいよ…」
志穂「ん…何か誰かにつけられてるような気がするんだけど…」
優香里「え?マジ…?」
私の言葉に優香里もキョロキョロしだす、人の事をキモいとか言っておきながら、自分もかなり挙動不審だ…ってかキモいって酷くない?。
最初のコメントを投稿しよう!