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ハッハッハッ…
日が傾き始めた頃、とある村の近くにある森で一人の少女が息を切らしながら走っていた
(はっ、早く…逃げなきゃ…!)
少女は何かから逃げているようでやっと村に続く道が見え、そこで助けを呼ぼうとしたところで木の根に足を取られてしまった
「助けっ…!キャッ!」
ドサッ
「うっ、うーん…」
ガシッ
少女は起き上がろとした所に誰かに肩を捕まれた、その瞬間少女は震え出した
「何処に行くんだい?」
少女は震えが止まらず歯も噛み合わない
そしてそのまま男と向き合う様に体を回され
ガチガチ…
「どうして…いい、ひと…って…思っ…たのにっ…」
少女を掴んだ男はニヤッと笑いながら
「ああ私は良い人だし君も大丈夫だよ…君は私の血と肉となるんだからね…」
そして男は少女の首元を噛み付いた
「キッ、キャアーー!!」
バサバサバサバサ!!
その叫び声はカラスの飛び立つ音で誰にも聞こえることはなかった…
そして血を吸い付くされた少女はミイラの様に干からびると倒れた、それを見た男は今度は笑い出した
「ふっ、はははは…はははは、あはははははは!このまま行けば私が次期伯爵だ!!」
バサバサバサバサ!!!
その男の笑い声もまたカラスの羽ばたく声で聞こえる事はなかった…
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